甘味について

2012年10月22日
今回は、あんことは切っても切れない関係にある、甘味について少し考えてみたいと思います。

face01 味を感じるメカニズム

 ヒトは5つの味を感じる。「甘味」「塩味」「酸味」「苦味」「うま味」だ。

これらの味を感じるメカニズムが,近年の研究で明らかになった。

舌や口に点在する 味蕾(みらい) にいくつかの味覚細胞があり,各味覚細胞はその表面にあるセンサー(受容体)を使っていずれかの味を専門に感知している。

甘味細胞にある甘味受容体は甘味を,うま味細胞にあるうま味受容体はうま味を感じるといった具合だ。

甘味受容体が砂糖分子と結合すると,味蕾は脳に甘味シグナルを送る。

砂糖分子が多いと,甘味受容体と砂糖分子の結合数が増え,脳に送られる甘味シグナルは強くなる。(以上日経サイエンス  2008年11月号より)


face01 味蕾(Taste buds)



味蕾とは実際に味を感じる舌の表面近くにある味覚の受容器です。

味蕾は直径約50マイクロメートルで、舌の表面に対して味孔という孔が開いています。

この穴から味の化学分子が入り込みます。

味蕾の中には基底細胞、支持細胞および味覚細胞という異なった種類の細胞があります。

この中で味を感じることができるのは味覚細胞です。

さらに拡大するとこの味覚細胞の細胞膜表面に味分子の受容体が発現しています。





味をよく感じるために基底細胞の分化によって絶えず新しい味覚細胞が作られており、味覚細胞の寿命はほ乳類で約10日です。

舌以外でも咽頭、喉頭等でも味覚を感じることができ、口腔、咽喉頭等、全体で10000個以上の味蕾があります。

一つの味蕾には約50本の感覚繊維が分布しています。

1つの神経線維は平均5個の味蕾に分布しています。

低濃度の化学(味)刺激ではそれぞれの味蕾はそれぞれの味に敏感ですが、高濃度刺激では2つ以上の味に反応します。


face01 あんこの甘味

あんこに甘味を加えるために、よく使われる甘味料 (食材、食品添加物)は

① 砂糖

② 水あめ
       農畜産業振興機構による分類では、ブドウ糖、麦芽糖、果糖とともに「でん粉由来の糖」に分類される。

③ 糖アルコール

  糖質に水素を添加(還元)し、化学的に安定させたものである。天然にも種々の糖アルコールが存在するが、一般的には工業的に酵素反応などによって生産されており、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、還元水飴などがある。

  非褐変性(タンパク質やアミノ酸と加熱しても変色しない)などの性質を持つことから、加工食品に使われている。

また、消化・吸収されにくいため、低カロリー甘味料としても使用される。

④ 加糖調製品

 砂糖に他の食品素材を加えた食品加工用原料のことを指し、ソルビトール調製品 (砂糖とソルビトールを混合したもので、ショ糖含有率が全重量の50%以上85%未満のもの) が広く流通しているが、最近はマルチトール調製品も増加傾向にある。

⑤ トレハロース

農畜産業振興機構による分類では「糖質系甘味料」の「その他の糖」に分類される。

高い保水力を持ち、食品や化粧品に使われる。

抽出する方法が難しく高価なものだったが、近年でん粉からの安価な大量生産技術が岡山県の企業、林原によって確立され、さまざまな用途に用いられている。

⑥ 人工甘味料

が挙げられます。


一般的には、①、②が食材に、③~⑥が食品添加物に分類されます。

次に、今回は最近特に使われることの多くなってきている、人工甘味料について簡単に触れてみたいと思います。

face01 人工甘味料はなぜ甘いか?


たとえば、 カロリー(糖分)ゼロを謳ったコーラには、スクラロースやアスパラテームという「人工甘味料」が使用されています。

こうした人工甘味料は、 基本的にカロリーがないか、 極めて少ないのですが、 それでいて 自然な砂糖の甘さとはちょっと違いますが、 それでも、それに似た 「甘味」を感じさせます。


素朴な疑問として、 何故カロリーもない化学物質が、甘味を持っているのでしょうか?

人間が甘味を感じるのは、 前述したように舌の味蕾(みらい)にある、甘味受容体に砂糖などが結合するためです。

 こうした甘味受容体の構造と機能を逆手にとって,私たちが口にしたときに感じる味を変えてしまおうという研究が進んでいます。

つまり、たとえカロリーがなくとも、 甘味受容体に結合する物質は 人間には「甘い」と感じられるのです。

従って、 甘味受容体に結合する化学物質が、 人工甘味料というわけです。



次回は、今回でも少しふれましたが甘味料の種類について簡単に説明したいと思います。


 



























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Posted by 安儀製餡所 at 16:57 甘味料コメント(1)
この記事へのコメント
毎回勉強させていただいております。
科学の発達は発見の嬉しさもありますが、わからない方が神秘的で素敵なこともありますよね。
科学的に作られた甘さってちょっと不思議です。
近い未来、味の説明が、科学的・数値的になってしまうと、ちょっと寂しい気がします。
Posted by そゆレンジャー at 2012年10月23日 10:37
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