私たち零細の食品製造業者にとって今一番頭を悩ませているのが「
HACCPの義務化」という問題です。
そもそも「HACCP」とはなんなのでしょうか?従来の食品衛生基準とは何が違うんでしょうか?
そもそもこの「HACCP」の義務化というのは誰が(どこが)主管しているのでしょうか?
保健所と関係が深そうだから厚生労働省なのが。
あるいは農水省、経産相なのか、消費者庁なのか。
トランプ大統領の登場でトーンダウンしたようですが、TPPの一環として外圧から出てきた問題みたいだから外務省も関係しているのか?
HACCPの起源
私が知っている範囲ではHACCPはもともとNASAに宇宙食を納入していた業者が行っていた管理ツールと聞いています。
要するに価格やコストに何の制約もない世界での話です。
「そんなものを我々が日常食べている食料品に持ち込んでどうするか?」というのが私の正直な感想です。
HACCPの有効性
本当に「HACCP」は食品の安全性を確保するのに有効なのでしょうか?
実際ここ数年大騒ぎとなったY乳業や日本MなどはHACCPの認定を受けている企業です。
考えられる負の連鎖
HACCPによる管理を行うとそれに伴う膨大なコストが発生します。
その結果として次のような負の連鎖が起こることが容易に想像できます。
HACCPの実施→管理コストの増加による収益の圧迫→人件費削減あるいは原材料のグレードダウン→食品の安全性の低下
また別の連鎖も考えられます。
HACCPは一般の飲食店やcafeあるいはホームベーカリー、ケーキ屋などにも適用を義務付けるということです。
この結果
HACCPの実施→HACCPの認定が取れない店は廃業→食品闇市場の誕生→反社会的勢力の収入源→食品の安全性の低下(冗談です)
HACCP方式と従来方式の違い
HACCPと従来方式(食品衛生基準)の違いは次のようなことだそうです。
原材料の受入から最終製品までの各工程ごとに、微生物による汚染や異物の混入などの 危害を予測した上で、危害の防止につながる特に重要な工程を連続的・継続的に監視し、 記録することにより、製品の安全性を確保する衛生管理手法です。 これまでの最終製品の抜き取り検査に比べて、より効果的に安全性に問題のある製品の 出荷を防止できるとされています。
まあ大企業の工場なら必要かもしれませんが、街の大衆食堂で店主が一人で何もかもやっているようなところでこんなことが出来ると本気で考えているのでしょうか?
表現を変えると「そんなところは廃業してください」と言っているようなものです。
庶民の味方を自任するマスコミやジャーナリストの皆さんはこの問題には全く興味を示しません。
この方々が贔屓にしている高級店は何の心配もないのでしょうが、本当に庶民が通っている大衆食堂などには死活問題です。
つまり我々を誰も助けてくれそうもないので、自衛のために製餡業者向けのHACCPガイドライン(手引書)というのを大阪製餡工業協同組合で作ってみようと思います。
またその途中経過、顛末についてはこのブログに書いていきたいと思います。