プロ野球のドラフト会議が終わってしばらくたちますので、誰も取り上げることもないので少しこのことについて書いてみたいと思います。
スポーツライターのご意見
球団が決まった瞬間、凍りついた佐々木の表情が波紋を呼んでいる。それはまさに、これまで懸命に追い求め、積み重ねてきた佐々木の野球人生が思考停止し、立ち往生せざるをえなかった、愚かなプロ野球の現実を表しているように思う。
この記事を書いた小林信也という人(スポーツライターらしいです)の記事はここで読めます。
https://ceron.jp/url/diamond.jp/articles/-/217996
この方のご意見を要約すると(多少この方に対する私の偏見も含まれていますが(笑))以下のようです。
①佐々木投手のような才能のある選手をロッテマリーンズのようなパリーグの球団に入団させるのは可哀想だ。
(私が推察しているだけです。小林信也氏本人に確認したわけではありません。)
②NPBの発展を阻害しているのはドラフト制度である。
(決して読売グループが言っているではありません)
③阪神タイガースに育成能力はない。
(決して私が言ってるのではありません。小林信也氏のご意見です)
④お金や人気のないパリーグの球団はアマチュアの有名選手を入団させる資格はない。
⑤特定の球団を除けば2軍以下の労働環境は劣悪だ。
⑥大の大人がくじに一喜一憂するのはみっともない。(
完全ウエーバー制にすればいいだけなのですが、それは球界の盟主が反対するのが現実です。)
⑦選手育成をすっかりアマチュア球界に任せきり、自分たちはその上澄みをクジ引きで分け合うだけの非道なプロ野球界が猛省し、目を覚ますよう願ってやまない。
(あまりにも素晴らしいご意見なのでそのまま引用します。まあ、プロ野球というのはそういう非道なもので、だからこそ普通の人より成功すれば金や名声が得られると思うのですが。)
⑧選手も、自分の野球観や哲学、選手としての特性や課題、さらには人生設計などを考慮した上で、それを実現できる環境か、価値観を共有できるチームかを見定め、納得した上で球団を選びたいところだ。
(これも文章をそのまま引用します。つまり、アマチュアも入団の際代理人をつけろということ?)
⑨高校球界で強打を誇った井上選手の未来を案じる声もある。いわゆる金属バット打法で、バットの先っぽでも、あるいは手元で詰まっても持っていく。だが、木製バットで 快打を飛ばせるか?
(これも文章をそのまま引用します。こんなことを言うならスポーツライターなんだから自身で高野連に対して金属バットの廃止運動を起こせはいいのですが。)
育成能力とは
この方のおっしゃっている 育成能力 とは何を指すのでしょうか。
私が推察するには” ドラフト1巡目に指名されるようなアマチュアの有名選手をすぐに活躍させる球団が育成能力が高い ” と考えているように想像してしまいます。
しかし私が思うにはドラフト1巡目に指名される選手は一般的に完成度が高いと思われます。それよりもドラフト1巡目以外や育成入団の選手が活躍している球団が育成能力が高いといえるのではないでしょうか。例えばロッテマリーンズの福浦選手のような。
プロ野球の発展
この方の書いたものに私が違和感を感じるのは、この方が持っているプロ野球の発展した姿というのが全く書かれていないからです。
私のようなパリーグのフアンの人間にとって一昔前の読売ジャイアンツの独占状態でパリーグが滅亡の危機にあったころより、今のほうがよっぽど好ましいといえます。
もちろん日本は憲法で言論も思想も自由が保障されています。したがってこの方が読売ジャイアンツによる独占がプロ野球の発展に繋がると考えるのも自由です。
したがって、ドラフト制度を廃止すればどのように発展した姿になるのかを示してもらいたいものです。
数年前新聞に「ドラフト制度も随分様変わりした、一昔前はパリーグの球団の指名されれば入団拒否する選手がたくさんいたが今はほとんどいない」みたいな記事が載っていました。
この流れは近鉄バファローズの野茂投手が創ったといえます。
つまりパリーグの球団に所属する選手にとって自らの力を正当に評価する組織があることがわかったのです。
それは言うまでもなく偏向報道しかしない日本のマスコミでもスポーツジャーナリスト達でも、プロ野球ファンという人たちではありません。
MLBだけが彼らの力を正当に評価すると言えます。
つまりMLBでプレーするという目標を持っているアマチュア選手にとってはセリーグ、パリーグにこだわる必要がなく、むしろ「明らかにレベルが高いパリーグでプレーするほうが有利である。」と考える人がいても不思議ではありません。
ロッテマリーンズ
最後に今回話題になったロッテマリーンズの簡単な歴史について。
ロッテマリーンズこそが2リーグ制という今日のプロ野球の形を作った球団です。
戦後、読売グループを中心としたプロ野球(この頃は1リーグです)の人気が沸騰してきたのをみて毎日新聞がプロ野球に参入し、これがきっかけでセ・パ両リーグに別れました。
この時、当初パリーグに参加すると言っていた阪神タイガースは土壇場で読売ジャイアンツがいるセリーグに参加します。読売ジャイアンツと共に歩むという以後変わらぬ阪神タイガースの経営方針が決定した瞬間と言えます。
これに腹を立てた毎日が別当、土井垣といった阪神タイガースの主力選手を引き抜きます。ここから阪神タイガースのファンにとって苦難の歴史が始まります。
まあ、今なら毎日新聞は関西で不買運動を起こされていたでしょう。
その後球団経営に旨味がないと判断した毎日新聞は球団を大映に譲渡します。この間球団名は毎日オリオンズ⇒大毎オリオンズ⇒東京オリオンズへと変わっていきます。
とくに大毎オリオンズ時代、西本幸雄監督率いる榎本、山内、葛城といった強力打線で西鉄ライオンズや南海ホークスを破って優勝するのですが、日本シリーズで下馬評では圧倒的に有利であったにかかわらず大洋ホエールズに0勝4敗で負けてしまいます。(この時の敗戦が西本監督の悲運の始まりです。)
その後親会社の大映の経営不振などでロッテに譲渡されロッテオリオンズ⇒ロッテマリーンズとなります。
野村克也氏の南海ホークス監督時代 (2020-06-25 19:44)