糖度と賞味期限の関係

2012年02月08日
 ここでは くるみ餅とくるみあん で少しふれた糖度と賞味期限の関係について簡単に説明したいと思います。

その前に糖度と密接な関係にある水分活性(すいぶんかっせい)について説明します。

水分活性(すいぶんかっせい)とは食品中の自由水の割合を表す数値で食品の保存性の指標とされる。

食品中にはタンパク質、炭水化物等と結合した結合水と移動が容易な自由水が含まれている。 食品中で微生物が繁殖するには適切な量の自由水が存在することが不可欠であり、食品中の水分活性を低下させる加工を行った場合、微生物の繁殖を抑制できる。 微生物の種別により繁殖可能な水分活性は様々であるが、一般的な食中毒菌で概ね0.900以上、乾燥や塩分に耐性を持つものでも0.800以上とされ、0.600以下になれば全ての微生物は繁殖が不可能になる。 水分活性を低下させる手法としては一般に以下のような方法が用いられる。

食品に塩分、糖分などを溶解させる事により自由水の比率を下げる。(塩漬け、砂糖漬け等
食品の水分そのものを除去する(乾燥食品、燻製、干物等)

つまり糖度が高いということは、それだけ水分活性が低くなり、腐りにくく、賞味期限も長くなるということです。

言い換えると砂糖は天然の保存剤ということになります。

以下は余談ですが、この水分活性が「モナ.リザ」や「ダヴィデ像」を生んだともいえます。

東方貿易で栄えた中世イタリアの都市がルネサンスを生むわけですが、その主要な輸入品の一つが肉の保存に必要な香辛料でした。香辛料を使って肉の水分活性を下げたわけです。また北方健三氏の「水滸伝」でも梁山泊を支える経済的な基盤は「塩の道」でした。

水分活性の力は偉大であるということです。




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Posted by 安儀製餡所 at 22:20 賞味期限コメント(0)
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