今年のプロ野球が幕を閉じてしばらくたちますので、もうあまり話題になることもないと思いますが、今年の日本シリーズもソフトバンク ホークスが読売ジャイアンツを2年連続で4勝0敗で破りました。

それと同時に阪神タイガースにとっては忘れたいであろう(気にしていないという説もありますが) 33-4 という数字がネット上で話題になっていました。

ソフトバンク ホークスでもこの数字を破るのは難しかったようです。

私のような素人のパ・リーグファンの人間からの印象としては、「このくらい実力に差があっても既存のマスメディアの偏向報道、つまりセ・リーグ優遇、パ・リーグ蔑視という姿勢は来年も変わらないだろう。」ということです。

今も関西の既存メディアは相変わらず阪神タイガース一色です。


この10年間でのパ・リーグ優位の原因について色々な見解が出て来ました。

DH制を採用しているためだとか、なかにはパ・リーグの方がドラフトのくじ運がいいためだというような噴飯ものの見解もありました。

DH制

戦術レベルではどう考えてもDH制を採用している方が不利でしょう。
黄金時代の西武ライオンズや古いですが阪急ブレーブスを考えればわかります。

この当時西武ライオンズにはデストラーデというDHに強打者がいて、秋山、清原とクリーンアップを組んでいました。
日本シリーズでアウエーで戦うときはDHが使えません。この場合選択肢としては

①清原三塁、デストラーデ一塁の布陣を引く。この場合守備に不安要素を二つ抱えます。
②デストラーデをスタメンから外す。この場合5番打者を外すというシーズン中とは全く別な戦い方をしなければなりません。

一方パ・リーグのホームの時はDH制が採用されましたが、この時セ・リーグは少なくとも投手よりましな打者を一人打席に立たせればよいのであり、余程無能な監督で無い限りそれほどマイナスになる訳ではありません。

したがって、日本シリーズではどう考えてパ・リーグが不利な条件で戦っていたと言えます。(まあ、パ・リーグファンである私の見解ですが)

阪急ブレーブスも黄金時代の頃は日本シリーズでは4番打者の長池選手を外して戦っていました。

DH制の影響

選手の能力向上という面からみると効果があると専門家と呼ばれる人達が指摘しています。
まあ、素人ですから何とも言えませんが、そんな気もします。

現在のNPBのスター選手の出身大学も随分様変わりしました。

昭和から平成の初期くらいまで、大卒でプロ野球選手になれるのは東京六大学、東都大学リーグ、あるいは関西六大学といった限られた人達だけでした。

それが首都大学野球リーグや東北福祉大学出身の選手がプロ入りし活躍します。いまや全国の大学野球の出身選手がプロ入りし活躍しています。

現在、大学野球でDH制を採用していないのは東京六大学野球連盟と関西学生野球連盟だけです。

もちろん東京六大学はアマチュア野球界最高のエリートコースであることは今後も変わらないと思いますが、この二つのリーグが旧態依然としている間に他の地方の大学の選手が力をつけてきてプロ入り後活躍しているのは事実でしょう。

東京六大学野球連盟と関西学生野球連盟は、入替え制がないとか東大や京大が属していると共通点が多くまた、伝統があり才能や有名選手が多く入学し他のリーグよりレベルが高いのは確かでしょう。

しかしながら、プロ入り後活躍している選手をみていると以前と比べると大学時代にDH制採用していたことが選手のレベルアップに貢献しているのかと思います。

選手の入団、移籍の変化
 
昭和や平成の中期くらいまではパ・リーグはよくドラフトで指名した選手に入団拒否に遭いました。もちろん入団拒否は本人の権利ですので仕方がないと思います。当時はよく「在京のセ・リーグ(つまり巨人、ヤクルト、横浜大洋)希望」という人がたくさんいました。

FA制度が発足したころは移籍はほぼパ・リーグからセ・リーグに限られていました。この流れが変わったのは近鉄バファローズの野茂投手がMLBに移籍してからでしょう。逆に言えばパ・リーグ出身の選手はMLBで活躍して初めて日本のマスコミに正当に扱われるという状態でした。イチロー選手でさえ日本にいる頃は関西のマスコミが取り上げることは全くありませんでした。

近年になってパ・リーグからパ・リーグへのFAによる移籍もあらわれてきました。この主力選手のセ・リーグへの流出がなくなったこともパ・リーグとセ・リーグの実力差が開いた一因だと個人的には思っています。

選手のモチベーションの差

私自身はこれが一番大きいと思います。
おそらくシーズンが始まれば、今年も既存のマスメディアによるセ・リーグへの偏向報道は変わらないでしょう。

関西では阪神タイガースのドラフト1位である佐藤選手がオープン戦で1本でもホームランを打てば「柳田を越えた」という見出しが躍るでしょう(笑い)。

今の交流戦のシステムだとセ・リーグはいくら負けようが優勝争いにも観客動員にも、メディアへの露出にもあまり関係ありません。

一方既存のマスメディアに冷遇されているパ・リーグは必死に戦います。

亡くなった野村監督が昔、「オープン戦を同一リーグどうしで行うのはいかがなものか。以前はオープン戦は今のように同一リーグで行われることは少なく、新戦力や新しいボールを試すのに都合がよい。皆川投手が新しく覚えたスライダーを王選手で試して、通用したので自信を持った。」と話していました。

何でも「セ・リーグがパ・リーグとオープン戦をやりたがらなくなった。要するに収入が見込める読売ジャイアンツとのオープン戦をパ・リーグにあげたくない。」というのが理由だそうです。

まあ既存のマスメディアの感覚も同様でしょう。したがってセ・リーグがパ・リーグに勝とうというモチベーションが向上する可能性は低いと思います。(あくまでも個人的な感想です)











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Posted by 安儀製餡所 at 22:29 野球コメント(0)
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