岡山産の豆

2021年12月12日
現在NHKで放送されている朝ドラは岡山の和菓子屋さんが登場しますが、

意外と知られていないのですが、岡山県は和菓子の材料に使われる豆の産地として昔から有名です。

和菓子の世界で岡山県産の小豆や黒豆は丹波産と並んで高級品として通っています。

弊社でも現在は岡山県産の豆を使って何種類かの”餡“や”かのこ”を作っています。

一般的によく知られている”丹波~~”と呼ばれている小豆や大豆がありますが、これらの中には岡山県産のものが含まれています。

以前にも書きましたが、これは品種を表示しているということで問題ありません。






以下は豆類協会H.P.からの引用です。

岡山県小豆栽培

岡山県(井笠地域)
岡山県のあずきの栽培面積は、従来500ha~600haありましたが、最近では350ha程度に減少し、全国シェアは約1%となっています。しかし、西日本では依然として大きなあずきの産地であることに変わりはありません。特に、岡山県で生産され、高級和菓子用白餡の原料として使用される希少な品種「備中白小豆」は有名です。あずきの栽培はほぼ県全域でみられますが、ここでは、南西部の井笠地域における栽培スケジュール、栽培作業工程等を紹介します。



参考までに北海道の栽培スケジュールを




岡山県産の豆を使った弊社の商品


弊社では丹波大納言、備中白小豆、丹波黒豆を使っています。

丹波大納言


備中白小豆


丹波黒豆


弊社ではこれらの小豆、黒豆等を使って、粒あん、こしあん(赤、白)、かのこ(大納言、黒豆)を製造、販売しています。



Posted by 安儀製餡所 at 19:33 あんこ豆知識コメント(0)

十勝小豆

2021年12月02日
カナダ小豆





先日、あるお客様と話をしたら「私の所は国産のカナダ小豆で作った”あん”を使っている。」という話になりました。

私としては「国産のカナダ小豆?」という感じです。
よく話を聞いてみると次のように思われていたみたいです。

つまり、カナダ小豆という品種の小豆があり、これが北海道で栽培されている。
しかも加工された粒あんの表示は国内製造と書かれている。

国内製造と表示されているため、てっきり国産(北海道産)のカナダ小豆という品種の豆で作った粒あんと勘違いされていたのです。

以前にも書いたのですが、ルール的にはこの表示は問題ありません。

ここです→http://blog.yasugianko.com/e483702.html

お客様には「カナダ小豆という品種は存在せず、これは日本の小豆をカナダで契約栽培したものを輸入したもので、通常カナダ小豆と呼ばれているものです。表示のルールとしてはカナダ小豆を使っていても日本の工場で製造されれば国内製造で通るわけです。」と説明しました。

十勝小豆




同様に十勝小豆という品種の小豆は存在しません。

よく和菓子とか,あんパンのパッケージに十勝小豆使用とか書かれていますが、私はこれを見るとこの製造者はあまり小豆についてはくわしくないのかなあと思ってしまいます。

まだ”十勝小豆”ではなく”十勝産小豆”なら理解できるのですが。

この十勝小豆という表示は前述したカナダ小豆と同様に誤解されている方も多いのではないでしょうか。

私の個人的な見解としてはこの誤解を生みがちな十勝小豆という表示は好きではありません。

この十勝小豆という表示から考えられる小豆は

①北海道十勝地域で栽培された小豆、ただし、品種、選別基準については不問とする。

②北海道十勝地域で選別作業、袋詰めされた小豆、ただし、生産地、品種、選別基準については不問とする。

③北海道十勝地域から出荷された小豆、ただし、生産地、品種、選別基準については不問とする。

という所です。

基本的には十勝小豆と言えば①のことだと考えている人が多いと思います。

小豆の名称・種類については以前少し書きました。 ここです→http://blog.yasugianko.com/e235985.html

どうしてあまり好きでないかというと生産地を十勝と限定すると選択の幅が狭くなる,
品質よりも十勝小豆というブランドを優先せざるを得ないことになるからです。

たとえば、小豆が不作の年など十勝産の二等(二格)小豆が品薄になった場合でも、北海道の十勝以外で採れた小豆ではなく品質の劣る十勝産小豆を使わざるを得なくなってしまいます。

結果的に消費者により良い商品(あん)を食べてもらうことができなくなります。つまり他の地域で採れた二等小豆があっても、十勝産小豆の等外品を優先するということになります。

ですから個人的にはあまり十勝(産)小豆という表示は好みません。

次に十勝地域について

十勝地域





■十勝(とかち)とは
 北海道を14に分けた「総合振興局」の一つの名称です。

 帯広市を中心とする十勝地域は19市町村からなり、岐阜県や秋田県と同じぐらいの大きさです。北海道の中では道東(どうとう)エリアに位置し、広大な「十勝平野」が広がっています。

 中心都市は帯広市(おびひろし)です。

 「十勝」という地名は、アイヌ語の「トカプチ(管内を流れる十勝川を意味している)」からといわれています。

 北海道の開拓が官主導で進められる中、十勝の開拓は「晩成社」をはじめとした民間の開拓移民によって進められました。

十勝地方は、太平洋岸を除き大陸性気候です。
年間を通じて、全国的にも有数の日照時間に恵まれ、年間降水量は少ない地域です。
昼夜の寒暖の差が激しく、日照時間にも恵まれた十勝では、甘くて美味しい作物が収穫できます。

【春】
乾燥した季節風が、日高山脈を越えて強風となることがあります。

【夏】
海岸部では日中の気温があまり上がりませんが、内陸部では比較的高温が続きます。

【冬】
大陸性寒冷高気圧により低温が続きます。
日高山脈で雪雲が遮られるため降雪量は少なく、晴天の日が続きます







以上はここからの引用です→http://tokachi-love.net/tokachi/

農林水産省「作物統計」平成30年(2018年)によると小豆の生産量で国内における北海道の割合は約93%です。

平成27年度 農林水産省統計部「作物統計」によれば、十勝地域の小豆生産は北海道全体の7割にもなります。(市町村別の統計は平成28年以後は廃止されています。)



Posted by 安儀製餡所 at 22:55 あんこ豆知識コメント(0)

黒餡?

2019年08月16日
最近 『黒餡』という言葉を耳にしました。

まず最初にお断りしておきますが、黒餡 というのは 黒大豆 で作った あんこ ではありません。

Yahoo 知恵袋に「黒餡は黒大豆で作られている(驚くことにこれがベストアンサーになっていましたが)」と載っていたので少し指摘しておきたいと思います。


基本的に黒餡とは和菓子屋さんや我々製餡業者が小豆を使って作った赤こし餡(一部粒あん)のことをその見た目から消費者が【黒餡】と呼ぶケースです。

この場合、製餡業者はおそらく自らは黒餡というものを作っているつもりはないと思います。

餡(赤こしあん)の色



餡の色と一口に言っても使用している原材料や製造方法によって違ってきます。

原材料による餡の色の違い

一般的に北海道産の小豆の場合、上質のものほど餡にすれば紫色に近い色に仕上がると言われています。
一方、中国産小豆は北海道産と比べて色が濃い(黒い)のが特徴です。

また丹波大納言の場合は兵庫、京都、岡山産を問わず北海道産のものと比べ色が赤いのが特徴です。



北海道産小豆



大納言小豆

もっとも赤こし餡と言っても原材料に全く小豆を使っていないものもいないものも存在します。


また、色を薄くするために 一般的に白こしあんの原材料であるいんげん豆を一部混ぜている和菓子屋さんもあります。



手亡豆



製造方法による違い

これは基本的に豆の炊き方によって変わってきます。

丁寧に渋切をして豆の腹切れを起こさずに炊いてやれば北海道産小豆は紫色に、丹波大納言は赤色に近く仕上がります。

いわゆるこの渋切(豆の煮汁を捨てる)を行わなかったり、不十分であれば 黒餡 と呼ばれるあんこになります。

また、豆が腹切れを起こしてしまうと、餡粒子が渋(煮汁)が流れてしまうため渋切がうまくいきません。いわゆる餡粒子に渋が着いた状態になり餡粒子本来の味が損なわれ、餡の色は黒くなってきます。

この辺の要因が絡まって皮むきや晒し工程を通らずに、釜の中で餡になっている場合 黒餡が出来上がります。(もっとも皮肉なことに経済的にはこのあんこが一番効率が良いのですが。)

皮むき餡

皮むき餡とは餡の色を黒くしない(薄くする)ために煮豆工程の前に小豆の皮をむき、それから煮豆して製餡したものです。
従って、どうしても普通に作れば小豆の風味は薄くなります。(対応方法もあるのですが)


黒大豆を使った餡

さて、黒大豆を使った餡というのもわずかですが存在します。(黒豆かのこではありません。)

実は弊社でも数年前に某コンビニで黒豆モンブランを販売したときにこの黒大豆を使った餡というのを作って納品しました。


黒豆餡

まあ、作るのに非常に手間がかかるのでどの製餡業者もやりたがらないようです。







タグ :黒餡

Posted by 安儀製餡所 at 20:42 あんこ豆知識コメント(0)
小豆価格の高騰

平成28年に北海道に台風が3つ直撃したことにより北海道の農業は大打撃を受け、小豆も歴史的な不作となりました。

また、過去数年の豊作だったことによる小豆価格の下落、あるいは民主党政権時に実施された「農作物の戸別保証政策」に小豆が含まれていなかったことから小豆の作付面積が減少傾向にありました。

これに自然災害が重なり未曽有の凶作となり平成29年の小豆価格は高騰しました。

平成29年は小豆は豊作でしたが、農家にしてみれば戸別保証政策に含まれていて小豆より手間のかからない大豆を栽培した方が儲かります。結果、小豆の作付面積の減少傾向に歯止めがかからなくなりました。

このことから、繰越在庫もなくなり、小豆の価格は高止まりしたままです。

歴史秘話ヒストリア 「北の大地に夢をひらけ!お殿さまの北海道開拓史」

先日NHKの歴史秘話ヒストリアという番組で明治時代、北海道 現在の伊達市で小豆栽培に取り組んだ人たちの事が取り上げられました。

ここでは北海道の小豆栽培の歴史の一端を知ることが出来ました。

今でこそ北海道の小豆と言えば「十勝」が代名詞みたいに思っている人も多いようですが、実際は北海道全土で作られています。



番組のHPから引用しますと

今から150年前、農業王国・北海道の礎をつくった「お殿様」がいました。その名は「伊達邦成(だてくにしげ)」。あの伊達政宗の一族で腹心だった伊逹成実(だてしげざね)の子孫です。
  戊辰戦争で「朝敵」のらく印をおされ、領地を400分の1に削られるという絶体絶命のピンチに立たされた邦成は「北海道開拓」という成功するかどうかもまったく見えない未知の事業に、活路を見いだそうとします。

 家財を移住費用にあてた邦成たちは、北の大地に立ったとき、すでに丸裸同然でした。上の写真にある建物は、伊逹家が移住した頃の開拓民の住まいを再現したものです。移住者の中にいた職人が関わっていたそうなので、しっかりしたつくりの建物ではありますが、「布団が凍った」という記録もあるそうで、きっと大変寒かったのではないでしょうか。資材も食糧も満足に無いまま、当時の北海道で暮らす…まさに命がけだったと思います。

 
逆境としかいいようの無い邦成たちですが、伊逹家の人々は強い意志でこれらを乗り越え、北海道開拓を前に進めていきます。
  邦成が、切り開いた畑で栽培に力を入れたのは「あんこ」の材料である小豆と甜菜(てんさい 別名:サトウダイコン、ビート)。これが、伊達家の苦境を変えることになります。

 
伊逹邦成と家臣、その家族たちの奮闘によって「伊達市」の名まで残した“お殿さまの北海道開拓”。この大事業を支えたのは、殿様・邦成が人として基本的なこと一つ一つを決しておろそかにせず、誠実にのぞんだ姿勢だった。そしてそれが、魅力あふれる北海道を現代の私たちに残してくれた。―今回の物語をたどると、そんな気がしてなりません。


今でもたまにTVで旧民主党の政治家を見かけると腹立たしく思うことがありますが、思えば私たち製餡業者は伊逹邦成と家臣、その家族たちの恩恵に浴している訳で、彼らがしてきたご苦労から考えると小豆価格の高騰にも何とか立ち向かわなければと思いました。

邦成が栽培に力を入れた 小豆と甜菜ですが、はっきりとした根拠はないのですが、非常に相性が良いようです。

有機小豆と呼ばれていたものが存在していたその昔、連作が出来ない小豆をどの農作物の後に栽培すれば良いかという問題に直面しました。

いろいろな農作物で連作を行いました。
「結果、甜菜の次に小豆を連作するのが良いということになった。」という話をホクレンの関係者から聞いた覚えがあります。



Posted by 安儀製餡所 at 18:34 あんこ豆知識コメント(0)
平成29年9月1日の産経新聞に次のような記事が出ていました。

消費者庁は、国内で製造される全ての加工食品について原料原産地表示を義務付けるよう食品表示基準を改正し、1日から新制度をスタートさせる。国産農産物の消費拡大などが目的。最も重い原材料の産地1つを記すのが基本となる。

 ロースハムは豚ロース肉が最も重量を占めるため、「豚ロース肉(米国)」などと表示。気候や相場変動などで原料の調達地や重量の順位が変わる食品もあるため、「米国または国産」としたり、産地が3カ国以上の場合は「輸入」としたりする例外も認めている。

 加工食品自体を原材料として使う場合は、加工した国を表示。例えば、中国から輸入したあずきを北海道であんに加工、これを使ったあんパンのあんは「北海道製造」や「国内製造」と表示する。




食品表示に詳しい公益財団法人「食の安全・安心財団」の中村啓一事務局長は「あずきの原産地が中国でも『北海道製造』と表示されれば、北海道産の小豆を使用していると誤認する」と指摘する。


私たち製餡業者にとっては、非常に迷惑なルールの変更だと言わざるを得ません。

このルールだと大手の製菓・製パン会社が丹波地域(前にも書きましたが、これも非常に曖昧な定義ですが)に工場を建てて製造すれば、
たとえ中国産小豆を使っても、すべて「丹波産のあんこ」となるわけです。

今回のルール変更あるいはHACCPの義務化など政府は弊社のような零細の製餡業者を地上から抹殺するつもりなどでしょうか?


タグ :産地表示

Posted by 安儀製餡所 at 16:09 あんこ豆知識コメント(0)

土用餅と土用波

2017年07月25日
土用の習慣としては鰻の陰に隠れてしまった感のある土用餅ですが、以前にも書いたように大阪府製餡工業協同組合では、

販促用として土用餅のポスターがあります。

土用餅という習慣そのものが関西以外ではあまりみられないようでもあり、またデザインを決めるにあたり

あんころ餅についても諸説いろいろあってなかなか決まりませんでした。


そこで決め手となったのは、ある和菓子屋さんから聞いた話で「土用餅はただのあんころ餅と違いくぼみを二つつけて波型を作る。これが「土用波」を連想させるのだ。」ということでした。

今回はこのご意見を採用させていただきました。

%E5%9C%9F%E7%94%A8%E9%A4%85%E3%83%9D%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC.pdf  (PDF: 629.86KB)






Posted by 安儀製餡所 at 14:58 あんこ豆知識コメント(0)

丹波大納言

2017年03月07日
平成29年になって数か月たつというのに昨年のことで恐縮ですが、さる12月10日(土)テレビ朝日の「ごはんジャパン」という番組で弊社のブログにある 小豆の花の写真が使用されました。





これについてはテレビ朝日の方より写真使用の件について事前に連絡をいただき、弊社としても何の問題もないため了解致しました。(ただし番組の趣旨からは若干の問題もあるのですが)

この放送では「丹波大納言」について取り上げていましたので私もこれについて知っていることを少し書いてみたいと思います。

その前に豆類協会のHPに大納言の花の写真およびその解説がありましたので載せておきます。(ただし、大納言の種類、撮影場所は不明ですが!)




あずきの中で特に大粒な特定の品種群は、「大納言」と呼ばれ、流通・加工上、普通のあずき品種とは区別されています。その名前の由来は、この品種群のあずきは、大粒なだけではなく、煮たときに皮が破れにくい特徴を持ち、いわゆる「腹切れ」が生じにくいことから、切腹の習慣がない公卿の官位である「大納言」と名付けられたと言われています。なお、円筒あるいは俵のような豆の形が大納言が被った烏帽子に似ているためという説もあります。江戸時代には、「大納言」より小粒なため「中納言」、「少納言」と名付けられた品種もあり、現在も長野県、福島県等一部地域で栽培がみられます。..

 大納言の栽培面積が一番多いのは北海道ですが、兵庫県、京都府で栽培されている「丹波大納言」は種皮が赤く、大粒で俵型をしており、江戸時代から知られていました。現在、北海道で栽培されている品種には、「アカネダイナゴン」、「とよみ大納言」などがあり、兵庫県、京都府にはそれぞれ「丹波大納言」、「京都大納言」などの品種があります。

 大納言は大粒で、煮くずれしにくいことなどから、甘納豆、鹿の子(かのこ)など豆粒の形状を保った豆製品の原料として用いられます。




小豆が煮崩れ(「腹切れ」)を起こす理由


この番組でも取り上げられていた大納言が小豆と比べて煮崩れ(「腹切れ」)が生じにくいという点ですがそれは以下の事に起因します。

一般的に、煮くずれしにくい豆は加熱で膨らむデンプンが少なくさらに、外側の皮も柔らかいと言われています。しかし、小豆は他の豆と比べてデンプンの量が多く、加熱されたデンプンは膨らんでいきますが、皮が硬く膨らまないので、すぐに皮が破れてしまいます。その結果、煮崩れが起きてしまうというわけです。

大納言小豆と小豆の違い

大納言小豆は小豆と比べると外側の皮が柔らかいため、煮豆をしたときに皮が破れにくく、いわゆる「腹切れ」が生じにくいと言えます。
この特徴が丹波大納言小豆が普通小豆と比べて高価である一番の理由です。


つまり大納言小豆は大粒で、煮くずれしにくく、皮も柔らかいことなどから、甘納豆、鹿の子(かのこ)などに適しています。



日本で一番高価な小豆

さて、丹波大納言が一番おいしいかどうか?というのは人それぞれですが、間違いなく言えるのは「日本で一番高い小豆」ということです。

小豆はその用途によって使い方が変わってきます。先に大納言小豆はは甘納豆、鹿の子(かのこ)などに適していると書きましたが、こしあんについてはどうなのでしょうか?

こしあんに向いている小豆

以下は加藤 淳著「小豆の力」より引用、抜粋します。

食物を口に入れたときに感じる舌ざわり、このテクスチャーとも呼ばれる食感はおいしさを左右する重要な要件です。舌ざわりが悪いと、食感は著しく損なわれますが、反対に舌ざわりが良いと、その心地いい感触をしばらく味わっていたい気分にさせられます。

それはあんに関しても同様のことで、舌ざわりが重要なポイントとなります。

こしあんですと、なめらかな舌ざわりがあんの甘味とあいまって、何ともいえないおいしさをうみだします。
粒あんの場合は適度な柔らかさに仕上がった小豆の粒の食感が、甘味とともに絶妙なハーモニーを舌の上で醸し出してくれます。

舌ざわりを支えているのは、あん粒子の大きさと、その粒径の揃い方にあります。粒径とは粒子の大きさを直径で表したものをいいます。

レーザー回折式粒度分布測定器を使って、あん粒子の大きさを調べると、50~250μmの範囲に分布が認められます。このうち小豆のあん粒子本体は、75~150μmの範囲に分布しています。この中で、食感として最も好ましいとされるのは、100μm前後のあん粒子です。
あんの粒径は普通小豆で小さく、大粒の大納言では大きくなります。

「エリモショウズ」」「きたのおとめ」「きたろまん」など北海道産の普通小豆からは、平均粒径が100μm前後のあん粒子ができます。このようなあん粒子は、舌触りとしては滑らかでクリーミーなこしあんとなります。

一方、「とよみ大納言」に代表される百粒重(小豆の重さ)の大きい大納言からは、平均粒径の大きい、すなわち120μm前後のあん粒子ができます。
この場合、舌ざわりとしてはややザラッとした感じとなります。このことから、大納言はこしあんよりも、小豆の粒の食感を味わう粒あんに適しているといえるのです。

私たちの舌は、あん粒子の大きさ10μmの違いを感知することが出来ます。大納言のあん粒子のように、平均粒径が大きいとざらつきを感じます。昔から、普通小豆はこしあんに、大納言は粒あんや小倉あんに用いられてきましたが、あん粒子の大きさから考えても、理にかなった使い方ということが出来ます。


以上はあくまでも見解の一つです。

味についてどう思うかは個人の感じ方によるものです。

最近は釜の中でグタグタに煮て「腹切れ」させた豆を完全に擦りつぶした、いわば「豆ペースト」みたいな「あん」を好む人も多く、こしあんでも腹切れさせることなくあん粒子を残したままたきあげる弊社のこしあんはたまに「ざらつく」と言われる事もあります。まあ味の好みは人それぞれです。



あん粒子の写真

二つの丹波大納言

厳密にいえば現在市場には二種類の丹波大納言が流通しています。

一つは私たちが丹波種と呼んでいる丹波地方以外で採れた「丹波大納言」、もうひとつが丹波地方で採れた「丹波大納言」です。
現在のルールではこの二つが存在しても問題とはなりません。

一方意外に思われるかもしれませんが、現在の行政区分には 丹波 は存在しません。

丹波(地方)とはどこなのか?   続きを読む

Posted by 安儀製餡所 at 21:17 あんこ豆知識コメント(3)

宇治金時?

2017年02月16日
先日 あるところで「かき氷の『宇治金時』は金時豆ではなく小豆を使っているのになぜ「宇治金時」というのか?」と質問されました。

今まで気にも留めていなかったのですが、そう言われれば少し気になったのでわかっている範囲の事を書いてみたいと思います。

金時は赤色の象徴




金時は「金太郎」のモデルとされる『坂田金時』に由来します。

その『坂田金時』が力自慢で赤茶色の肌で、力を入れると肌が一層真っ赤に染まったといわれます。その言い伝えから、濃い赤色のものを「金時」と呼んだのです。そこから赤色の豆である『小豆』が入っているかき氷を『宇治金時』とか『ミルク金時』とか呼んだとされています。


これは他の『金時人参』や『金時いも』についても同様です。

金時人参



以下はウイキペディアからの引用です。

金時にんじん(きんときにんじん)は、ニンジンの品種。京にんじんとも呼ばれる。ブランド京野菜に指定されている。

根は長さ30cmほどの長円錐形で先が鋭くとがり、いぼが白い。リコピンを含み内部まで鮮やかな紅色を呈す事から、「赤ら顔の坂田金時」が名称の由来となっている。過湿を嫌うため栽培には高い畝が必要であり、晩生でとうが立つのが早いため収穫時期は短く、収量も少ない。また、西洋ニンジンより栽培に長い期間が必要であり、根が長いため割れやすく収穫に機械が使えないなど、栽培には難点が多い。収穫時期は11月から3月。

一方で、西洋ニンジンと比べて肉質が柔らかく甘味は強く、ニンジン特有の臭いが少ない。煮くずれもしにくいため煮物に向いており、御節料理や粕汁などに用いられる。ビタミンA、B、Cや食物繊維が豊富に含まれる。なお、16世紀に中国経由で日本に伝わった東洋系のニンジンとしては、唯一の現存種である。


金時いも


幻のサツマイモ・紅赤(べにあか)の同種異名。(以下は「さいたまるしぇ」 HPからの引用です。

紅赤(べにあか)は、「金時いも」とも呼ばれ、皮色が紫紅色であざやか、形は長紡錘形で外観が美しく「さつまいもの女王」とよばれています。 肉質は黄色で粉質、口当たりや味が良く、「きんとん」や「あん」の材料として珍重されています。 しかし、植付け適期が短く、肥料や土質への適応力や病害虫抵抗性が低いうえ貯蔵性が悪いため、農家としては栽培がしにくい品種です


近年スーパーマーケットで「金時」表示されている鳴門金時、五郎島金時などの品種は高系14号であり、昔ながらの金時いもとは異なります。

最後に金時豆について少し書いてみたいと思います。

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タグ :金時豆

Posted by 安儀製餡所 at 15:52 あんこ豆知識コメント(2)

ずんだあん

2016年08月24日
先日放送された「グレーテルのかまど」では『ずんだもち』が取り上げられていました。

そう言えば同じNHKの「真田丸」でも伊達政宗が自ら餅を打って豊臣秀吉にずんだもちを献上するというシーンがありました。(これは三上幸喜氏の創作でしょう。)

私もこの6月25日にたまたま東京に行く用事があったので帰りに東京駅の「ずんだ茶寮」さんでお土産を買って帰りました。

それで、門外漢ではありますが、「グレーテルのかまど」の内容を中心に ずんだあん や ずんだもち について書いてみたいと思います。

その前に同じ枝豆を原料にする くるみあん について。

face01 くるみあん

私が住んでいる大阪の泉州地方でも枝豆を材料として くるみ餅 という和菓子が食べられています。但しくるみ餅の場合、同じ泉州地方でも黄大豆(乾燥大豆)、青大豆、枝豆、あるいはそれらを抹茶で着色したものなど結構バリエーションがあります。

これが「ずんだもち」と「くるみもち」の違いの一つです。

つまりずんだあんは枝豆で作ったあんを指しますが(ただし、ソラマメを使うところもあると以前何かで読んだことがありますが)、くるみあんは黄大豆、青大豆、枝豆それぞれを使って作ったあんを指します。

face01 青大豆、黄大豆、枝豆の味の違い

簡単に言えば黄大豆はタンパク質が多く、澱粉が少ない、一方枝豆は澱粉が多く、タンパク質が少ない。青大豆は両者の中間ということです。
 これからそれぞれの味の違いが出てきます。

face01 ずんだあん の 作り方

今回の放送では くるみあん をつくるうえでも重要なことを放送していました。 

その一つは 枝豆の薄皮を丁寧に剥くことです。枝豆、黄大豆の場合は特にこの点が重要です。

ただし、青大豆を使う場合は若干事情が異なります。以前に書いた記事「うぐいす(餅)何色か?」でも書いたのですが、青大豆の場合、薄皮を完全に剥いてしまうと、その美しい青(緑色)が出ません。

次に番組の作り方を参考にすると ずんだあん と くるみあん の大きな違いの一つは砂糖(番組では液糖)と磨り潰した枝豆を混ぜ合わせる際加熱する(餡練り)かどうかです。

加熱する、しないはそれぞれ長所、短所があります。

face01 長所

枝豆の美しい緑色は加熱すればするほど色が飛んでいきます。

したがって、色を残すためにも、この番組で放送されたようにペースト状の枝豆と砂糖(番組では口当たりをよくするために液糖を使用)を混ぜ合わし、すぐ冷蔵庫に入れて冷却するのが一番です。 ただ私が買った「ずんだ茶寮」のものは色落ちを防ぐため?に使った着色料(クチナシ色素)が表示されていました。

face01 短所

ただし、加熱しなければ、当然のごとく菌の増殖が早まり、食品の品質を維持することが難しくなります。
したがって、消費期限も短くなりその分価格に転嫁されることになります。

枝豆(大豆)の場合、小豆と比べて芽胞菌が繁殖しやすいのです。納豆はその性質を利用した納豆菌による発酵食i品です。


前述したように番組では砂糖の代わりに液糖(何かは分かりませんが)を使用していますが、これはずんだあんが口に合わない人がよく言う「パサパサなところが苦手」という点を解消するための方法と推測されます。つまり くるみあんのほうが 餡練りをするため食感が滑らかになります。

いずれにしても非常に扱いづらい あん といえます。


なお、手前みそになりますが弊社のくるみあんは着色料や保存料、PH調整剤等は使用していません。



Posted by 安儀製餡所 at 16:28 あんこ豆知識コメント(1)

白あんの原材料

2015年10月13日
さて以前にあんこの原材料として 赤あん、粒あんには「アズキ種」が主に使われると書きましたが、今回は「白あん」によく使われるマメ科の植物について書いてみたいと思います。

前回と同じように下の図をもとにして説明していきます。




白あんの原料として使われるマメですが、私は三つに分類できると思っています。

インゲンマメ属インゲンマメ種、インゲンマメ属ライマメ種、ササゲマメ属アズキ種 です。以下はそれぞれについて簡単に説明したいと思います。


face01 インゲンマメ種

この中でも白色系の 手亡 白金時豆 大福豆 グレートノーザン が現在白あんの原材料としてよく流通しています。
 
hosi 手亡


さて上記の中で和菓子用の白あんの原材料の代表と言っても過言ではないのが手亡です。

その用途は幅広くみなさんが和菓子と言えば真っ先に思い浮かべる上生菓子の練り切りから大判焼き(回転焼き)の白(粒)あんまで多岐に渡ります。

また、永年手亡といえば北海道産と相場が決まっていましたが、ここ数年は外国産、特に北米産のものがかなり流通してきました。


hosi 大福豆


大福豆は白あんの原材料の中で「高級菜豆」と呼ばれるものの一つです。(「高級菜豆」については後述します。)

hosi 白金時豆

白金時豆は日本を代表する老舗㈱虎屋さんが羊羹に使っていることで有名です。

また我々大阪(特に泉州)の人間にとっては㈱青木松風庵さんの「月化粧」の材料として知られています。

実は私は白金時豆は高価なことからてっきり「高級菜豆」の一つだと思っていたのですが、後述する草型の分類上はわい性に属するため「高級菜豆」に含まれません。


face01 高級菜豆と品種の草型によるタイプ分類


インゲンマメ種には、種皮の色や模様、豆の形や大きさが異なる様々な品種がありますが、品種による形態的な違いが大きく、草型により次のようなタイプに分類されます。

hoshi2 叢性

つるを出さず、主茎頂部に花房がつき、分枝して横に広がります。草丈は55~65cm程度で、栽培時に支柱は不要です。手亡(てぼう)類のうち、近年栽培されている「姫手亡」、「雪手亡」、「絹てぼう」がこれに該当します

hoshi2 半つる性

つる性とわい性の中間タイプです。つる性と同じように、つるを出して主茎頂部に花房を付けませんが、茎長は100~120cm程度で、支柱を立てずに栽培します。このタイプは、手亡類のうち「大手亡」、「銀手亡」や、うずら類のうち「福粒中長(ふくりゅうちゅうなが)」などかつて多く栽培されていた品種にみられます。

hoshi2 つる性

つるを出し、主茎頂部に花房を付けず、周囲のものに巻きつきながら伸長を続け、草丈は2.5~3mにも及びます。このため、ネマガリタケ等から作った「手竹(てだけ)」と呼ばれる支柱を立てて栽培します。虎豆類や大福(おおふく)類がこれに該当します。なお、いんげんまめとは種が異なる「べにばないんげん」に属している花豆類もほぼ同様な方法で栽培され、用途にも大差がないことから、上記のようなつる性のいんげんまめと併せて「高級菜豆」と総称されています(注:「菜豆(さいとう)」はいんげんまめの別称。)。

hoshi2 わい性

つるを出さず、主茎頂部に花房がつき、草丈は35~40cm程度で、栽培時に支柱は不要です。金時類全般やうずら類のうち、近年多く栽培されている「福うずら」がこれに該当します。




face01北海道のいんげんまめ(菜豆)の優良品種指定状況
(公財)日本豆類協会HPより



hosi グレートノーザン

カタカナ表記であることから推測される通り日本ではなく、主に北米大陸で栽培されています。

手亡と比較的味が近いことから海外で手亡が栽培される以前は、その代用品として流通していました。

次に白あんの原材料として最も流通量の多いライマメ種について説明します。
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Posted by 安儀製餡所 at 15:44 あんこ豆知識コメント(0)

能登大納言

2015年05月23日
世間では少しは話題になっていると思われる「能登大納言」

能登大納言産地協議会のHPから引用すると

能登大納言小豆とは?

 奥能登地方独特の気候風土に育まれた『能登大納言(のとだいなごん)』は、全国に数ある大納言小豆の中でも、粒の大きさと宝石のような鮮やかな赤い色が特徴の小豆です。
 
県内の和菓子屋さんからは、「大粒の豆をそのまま生かせ、皮が柔らかで風味がよい」と高く評価され、高級和菓子の材料として珍重されています。

 収穫は、“さやぼり”と呼ばれる手作業が中心で、ひとさやずつ手で丁寧に収穫します。そのため高品質ではあるものの、作付面積の拡大が難しいという課題がこれまでありました。

 現在、産地では収量・品質向上のための栽培試験や、新たな栽培農家の募集などを通じて、高い品質を維持した生産拡大に積極的に取り組んでいます。


実は弊社でも今から20年程前に「能登大納言」を使っていたことがあります。

親しくしている神戸のある豆問屋さんが全国の大納言小豆を食べ比べて、その結果一番おいしかったと推薦して来たのが「能登大納言」でした。

弊社でも泉州、和歌山のお客様に推薦してみたのですが、なかなか使ってもらえませんでした。

理由としては

、① 関西では知名度が低い。どうせ使うなら「丹波大納言」を使う。

 ② 安定供給、価格の変動に不安が残る。

というのが大多数でした。

結局弊社でも価格の高騰と共に自然消滅しました。

確かに地元の農家と太いパイプのある石川県の和菓子屋さんならともかく、こちらでは期間限定、ユーザー限定的な使い方しかできなかったといえます。


タグ :能登大納言

Posted by 安儀製餡所 at 21:00 あんこ豆知識コメント(0)
去る10月30日、神戸で「豆の日」協賛イベントとして

身体に良い豆料理を食べよう2014 が行われました。

その中で「豆で美しく健康に!」というテーマで 農学博士 加藤 淳 先生が講演されました。

私が仕事でよく使っている 小豆や大豆についていかに身体に良いかを分かりやすく説明して下さいました。

講演が終わった後の質疑応答の時私が「日頃よく使っている大豆の銘柄 ツルノコ や トヨマサリ の イソフラボン含有量が示されていないのはどうしてなのか?」と質問をしたところ、先生は「ツルノコ、トヨマサリは流通銘柄であって、品種を表しているのではない」と答えられました。

私の大豆に関する勉強不足を露呈することとなりました。

そこで、弊社がよく使う大豆 ツルノコ、ツルムスメ、トヨマサリ について、「くるみあん」に使うには何が最適か?」という観点からここでは書いてみたいと思います。





Ⅰツルノコ、トヨマサリとは
   
   ツルノコ、トヨマサリ とは固有の品種(銘柄)を表すのではなく、何種類かの品種を含んだ品種群のことである。
品種群による産地品種銘柄

  産地品種銘柄の品種は、通常、特定の1品種ですが、上記のように複数の品種のグループである品種群について設定されているものもあり、現行では、全て北海道産で次のリストのとおりです。


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Posted by 安儀製餡所 at 17:09 あんこ豆知識コメント(0)

インゲン豆高騰の背景

2014年05月08日
さる5月6日 NHKで「オシム 73 歳の闘い」. が放送されました。

番組の最後にボスニアヘルツェゴビナ代表が対戦するアルゼンチンについてオシムが語っていました。

アルゼンチンは昔から、ヨーロッパに、フットボール選手と牛肉を輸出しているが、そのいずれもがヨーロッパに搾取されている。


しかしながら、アルゼンチンはフットボール選手と牛肉だけでなく、実は食用の豆(アルビア豆という白いんげん豆)もヨーロッパに輸出しているのです。


アルビア豆


2013年にこの豆が不作になり、さらに様々な悪条件が重なり白餡の原料となる白いんげん豆が世界的に高騰しました。

以下は白いんげん豆高騰の背景です。(分かりにくいと思いますので下の表を見ながら読んでください。)



①アルビア豆不作の影響

 2013年にアルゼンチンの記録的な干ばつ被害により通常年14万トン収穫されるアルビア豆(白いんげん豆)が

壊滅的な状況となった為、もともとアルビアを買い付けていたヨーロッパが代替を求め、白系いんげん豆を

全世界で買い付けに走りました。


アメリカではまず粒形が似たグレートノーザンやネイビービーンに買いが入り、価格が高騰した為に最近では

ベビーライマにまでヨーロッパが手を伸ばした為、かなり品薄になりました。注)日本ではベビーライマは餡以外には使えません


②ベビーライマ(USA)の状況

2013年産ベビーライマは作付け面積が前年比4割減となっていたところにこのような状況になった為、価格が

上がり、その後産地のカリフォルニアが干ばつとの情報がはいっており、ますますの高値が予想されました。

③バター(ミャンマー)の状況

バターについては2013年産の作付け時期に水が引かず蒔きつけが遅れた影響で収穫も遅れた為に昨年の

輸入も遅れました。 バターは夏場以降にシアンが上がり日本の基準を上回る可能性があるので8月以降は輸入

出来ない為、平年に比べ輸入量が少なく、国内ではかなり品薄となっており、価格が高騰する原因となりました。



④ 顛末

結果、以上①~③が重なり世界的に白系いんげん豆が品薄になり高騰したと考えられます。




Posted by 安儀製餡所 at 18:39 あんこ豆知識コメント(0)
小豆(あずき)の種類

あんこの原材料として比較的よく使われている豆は、下記ように分類されます。



このなかで、とくによく使われるのが、

 赤こし餡、つぶ餡・・・・・・小豆種
 白こし餡・・・・・・・・・・・・・インゲン豆種、ライ豆種

です。

今回はやはり あんこの原材料と言えば「小豆(種)」でありますので、その種類や名称について、説明していきたいと思います。

 小豆の名の由来は、江戸時代の学者、貝原益軒の「大和本草(やまとほんぞう)」によれば、「あ」は「赤色」、「つき」及び「ずき」は「溶ける」の意味があり、赤くて煮ると皮が破れて豆が崩れやすいことから「あずき」になったとされています

前回の「特色のある原材料」でも少し説明しましたが、小豆には様々な切り口から名前がつけられています。

たとえば、国産小豆、北海小豆、十勝エリモ小豆、特別栽培小豆、雅、大納言・・・・・

これらは何を表しているのか、違いはなにかをあくまでも簡単に説明したいと思います。

(以下「豆類協会」のホームページを参考にしていきます。もっと詳しく知りたければ、そのサイトを読んでください。)

face01 品種による分類

現在、餡の材料として使われている小豆の品種は大きく「大納言」と、「大納言以外の普通品種」に大別できます。

hoshi2 大納言

小豆の中でも、特に大粒で煮ても皮が破れにくい特徴を持つ特定の品種群で、流通・加工上、普通の小豆と区別して扱われます。

この「煮ても皮が破れにくい」という特徴がいわゆる「腹切れ」が生じにくいことから、切腹の習慣がない公卿の官位である「大納言」とという名前の由来になったという説もあります。




大納言

hoshi2 小豆(大納言以外の普通品種)

一般的に小豆と言う場合は、大納言以外の普通品種を指します。


小豆(普通品種)

なお、煮崩れしにくい特性を持たない品種は、いくら大粒であっても「大納言」とは呼ばれず、通常「大粒小豆」とよばれます。(これは、品種による分類ではなく選別基準による分類になります。)

小豆の普通品種には、「エリモ小豆」、「きたのおとめ」、「しゅまり」「きたろまん」等があり、作付面積は、「エリモ小豆」が約5割を占めています。

ちなみに、某コンビニチェーンで大々的に宣伝された「ゆめむらさき」というのも、マイナーな普通品種の一つです。

さて、「品種による表示」で気をつけなければならないには次のような場合です。


これは、黒豆に多いのですが、たとえば、中国で丹波黒豆(これは品種名です)を栽培し、それを日本に輸入し加工して販売しても、、現行の「原材料の原産地表示」のルールに則れば表示上は「丹波黒豆」で通るわけです。

まあ、極端な話中国で「エリモ小豆」を栽培しそれを使って加糖餡にしてもエリモ小豆使用で通ります。

hoshi2 白小豆


小豆の種皮色は通常は赤(あずき色)ですが、他に黒、白、緑、茶、灰白、斑紋、白地赤斑などあります。
しかし、国内生産があるのは白小豆(しろあずき)と呼ばれる白系統で、岡山県の「備中白小豆」、北海道の「きたほたる」などの品種がごく僅か生産されています。 


白小豆

「備中白小豆」、という名称は特定の原産地と品種が組み合わさって、いわば特定の銘柄になっています。

face01 特定の生産地が名称に着いた小豆

一番大きい分類は「国産小豆」と「外国産小豆」となります。しかしながら何度も言いますが、現行のルールでわざわざ外国産小豆とか中国産小豆と表示する必要はありません。

したがって現在は「十勝小豆」のように国産でその生産地のブランド性を強調したい時に使います。



face01 特定の栽培方法が名称に着いた小豆

特別栽培(特栽)小豆, 有機栽培小豆

ここで注意しなければならないのは、有機栽培小豆です。

以前「特別栽培小豆}の記事で説明しましたが、現在日本では「有機栽培として認定されている小豆は皆無である」と言っても過言ではありません。(ごく微量ではありますが、生産されているという情報もありますが)

したがって、現在日本で流通している「有機栽培小豆を使った加糖餡」というのは、有機栽培の認定基準が日本と比べてはるかに緩い海外で栽培された小豆を原材料を使っています。

ただし、現行の「原材料の原産地表示」のルールに則れば、残念ながら違反ではありません。

加糖餡はルール上原材料の原産地表示を示す義務はありません。

face01 小豆の選別基準が名称に着いた小豆

二等小豆 大粒小豆(1.9分以上) 二挌小豆 等外小豆 三挌小豆等

face01 特定の銘柄、ブランドが名称に着いた小豆

大別すると次の二つになります。

hana3 農協、産地問屋のオリジナルブランド

ホクレンの雅(1.65分(直径約5㎜)に選別されたエリモ小豆) クリーン100(無化学肥料栽培) クリーン80 (化学肥料の使用量が慣行農法の20%)などがその代表です。




hana3 生産地と品種の組み合わさったもの

丹波大納言 備中白小豆 十勝エリモ小豆 などがその代表です。





Posted by 安儀製餡所 at 21:13 あんこ豆知識コメント(0)
現在、世間の話題を独占している理化学研究所ですが、いまのところ得をしているのは非難が向かなくなった『佐村河内』氏だけという感じです。

さて、日本の最高峰の研究機関である「理化学研究所」と斜陽産業である製餡業界が直接関係がある筈がないのですが、過去にそこから派生した会社「理研ビタミン」と非常に緊迫した関係になったことがあります。

今から何年前だったか忘れましたが、何を思ったのか理研ビタミンが中国で加糖餡を製造し、日本市場で販売していました。

資本力、技術力は私たち「あんこ屋」では、到底太刀打ちできません。その上人件費が安く、規制の緩い中国で製造され、私たちが想像できないくらいの安価な加糖餡が市場に出回りました。

弊社のような零細企業の製餡所は日本から姿を消すのか?とも思いました。

が、結局、加糖餡を販売しても儲からないということで、さんざん市場を荒らして撤退しました。













Posted by 安儀製餡所 at 20:44 あんこ豆知識コメント(0)
冷凍食品に次いで和菓子でも農薬によるとマスコミに報道されている異臭騒ぎ事件が起こっています。

報道では北米産のインゲン豆の残留農薬(ジクロロフェノール)が原因となっていますが、はたして他の可能性はないのでしょうか?

今回はジクロロフェノールによる異臭騒ぎの過去の事例を紹介したいと思います。

face01 甘納豆による苦情事例

hana3 苦情内容

平成15年2月、都内で販売されている甘納豆について、「いつもの製品と味が違う」、「カルキ臭、消毒臭がする」などの苦情が保険所に寄せられた。

hana3 検査結果

検体からジクロロフェノールが検出された。

hana3 混入原因

配管修理に用いられたシール剤及び補修用塗料を塗布した鋼管の乾燥、沈管が不十分であったため、フェノール類が配管内に溶け出し、これがボイラー水として使用されていた水道水中の残留塩素と高温化で反応してクロロフェノール類(ジクロロフェノール)が生成したものと推察された。

そして、このクロロフェノール類を含む蒸気が釜の底部の亀裂から釜中に侵入し、製品の甘納豆を汚染したものと考えられる。

クロロフェノール類は官能関値がフェノールの1000分の1と低く、今回の事例のように0.001μg/g未満の非常に低い濃度においてもカルキ臭の原因となることが分かった。

今回でも原材料だけではなく製造工程にも可能性があるとは考えられないでしょうか。



それと農薬の残留検査を行ってもジクロロフェノールが検出されることは、まずありません。

なぜならばジクロロフェノールは農薬の材料として使われますが、これ単体で農薬として使用されることはないからです。

Posted by 安儀製餡所 at 22:22 あんこ豆知識コメント(0)


まだ梅の花には少し早いのですが、早春にはつきもの 鶯(うぐいす)餅 について少し書いてみたいと思います。

face01 一般的な鶯餅

一般的に鶯餅(うぐいすもち)は、こし餡を求肥などで包み、丸く包んだものを楕円形にし、左右に引っ張りうぐいすの形にし、うぐいす粉(緑色に着色したきな粉)をまぶして仕上げることが多い。

したがって、花札にある緑色をした鳥(鶯?)の色に近い、早春を感じさせる和菓子が鶯餅です。

face01 鶯餅の由来

天正年間(1580年代)の頃、大和郡山(現在の奈良県大和郡山市)の郡山城の城主であった豊臣秀長が兄の豊臣秀吉を招いた茶会を開く際に「珍菓を造れ」と命じ、御用菓子司であった菊屋治兵衛が粒餡を餅で包み、きな粉をまぶした餅菓子を献上しました。

秀吉はその餅を大いに気に入り「以来この餅を鶯餅と名付けよ」と菓銘を下賜した。
一説には全国の鶯餅の原型とも言われています。(以下は菊屋HPより参照)

現代では非常に親しみやすく手軽に買える和菓子ですが、誕生当時はなかなか由緒ある和菓子だったようです。

face01 御城の口餅

時代を経てこの餅は「御城の口餅」と通称がつけられるようになりました。

これは菊屋がお城の大門を出て町人街の1軒目にあたることから、いつしか「御城の口餅」(お城の入り口で売っているお餅)と通称が付けられ今日に至りました。



現代ではもち粉から求肥を作り、うぐいす粉をまぶすのが一般的となっているが、本家菊屋では餅米から餅をついて作り、きな粉は青大豆を使用しているということです。

face01 鶯は何色か?あるいは花札の鳥はメジロなのか!

hana3 鶯とメジロの混同

 鶯



 メジロ

上の写真を見た限りでは花札の緑色の鳥はメジロのようです。(以下ウィキペディアより)

メジロは梅の花蜜に目がなく、早春には梅の花を求めて集まってくる。また比較的警戒心が緩く、姿を観察しやすい。

いっぽう、梅が咲く頃によく通る声でさえずりはじめる鶯は警戒心がとても強く、声は聞こえど姿は見せず、薮の中からめったに出てこない。

また鶯は主に虫や木の実などを食べ、花蜜を吸うことはめったにない。

両種ともに春を告げる鳥として親しまれていたこともあってか、時期的・場所的に重なる両種は古くから混同されがちであった。

古来絵画にある「梅に鶯」の主題を見ても、「梅にメジロ」を描いてしまっている日本画家も多い。


まあ、このことから、花札に書かれている「緑色の鳥」は、メジロだと言ってもよいでしょう。

それでは、鶯餅の色は間違いで、言い換えるとあれは 「メジロ餅」 とでもよぶべきものなのでしょうか?


hana3 鶯色とは

鶯色というとメジロの体色のような鮮やかな色を連想する人も多いのですが、JIS慣用色名に定められている鶯色は茶と黒のまざったような緑色をしています。

この色を鶯茶(うぐいすちゃ)ともいう。実際の鶯の体色は茶褐色であり、JISの鶯色は、鶯の羽を忠実に取材した色です。

また江戸時代中期には茶色味がかった鶯茶が女性の普段着の色として大流行したため、当時「鶯色」といえばこちらの色を指します。

icon06 鶯茶はこのような色である。



icon06 現在一般にイメージされる鶯色はこのような色である。





hana3  青大豆

 ここで注目すべきは、青大豆です。

青大豆は、普通の大豆と比べて、極端に生産量は少なく、したがって値段も非常に高価です。(尤も最近は海外から代替品となる豆も輸入されているとも聞いていますが。)

泉州では 青大豆 と言えば、くるみあん の材料として有名です。が、一般的には鶯餅用のきな粉の材料として知られています。

さて青大豆を使ったきな粉ですが、けっして、メジロのような色になるわけではありません。

私も 青大豆を使用しているという 鶯餅をいくつか食してみましたが、色的には普通の大豆(黄大豆)を使ったものとさほど変わりません。

hana3 青大豆で作ったきな粉が青くない理由

その理由は、青大豆と言っても、枝豆のように豆の中まで青色をしている訳ではないからです。

青大豆より一般的である黒大豆を考えてみてください。

黒大豆は表面(皮)は真っ黒ですが、中の色は灰色のような色です。

黒大豆と同様に青大豆も豆の表面(皮)は青いのですが、中の色は黄大豆とあまり変わりません。

よって、きな粉に加工した場合、あまり普通のきな粉と色は変わりません。

言い換えると、現在良く使われている鶯粉ほど鮮やかな色でない青大豆を使ったきな粉こそが鶯の色に近いと言えなくもありません。

以下は私の推論です。

 最初は鶯餅は青大豆のきな粉を使い、本来の鶯に近い色になっていた。

しかし、世間では花札にある緑色の鳥(メジロ)は春の新緑を感じさせ、これを鶯と呼ぶようになってきた。

一方青大豆はあまりにも高価であり、無理をしてこれを使うより安価で世間が鶯に持っているイメージの色に近い、うぐいす粉(緑色に着色したきな粉)を使った鶯餅になった。

このようなところではないでしょうか?

face01 鶯あん

最後に「鶯あん」について少し書いてみたいと思います。

私の知っている鶯あんは青えんどうを原料にしたあんで、つぶあんにして田舎饅頭にしたり、泉州ではこしあんにして村雨を作ったりします。

また、東北では青えんどうをもどして皮をむき、砂糖で甘く煮たものを「富貴豆」と呼び、これを使ったあんを富貴餡と呼びます。
一説によると、豆を蒸かすから「ふき豆」と呼ばれていたのを、縁起がよいから、と「富貴」という文字があてられるようになったのだそうです。






Posted by 安儀製餡所 at 19:19 あんこ豆知識コメント(1)
さて、和菓子好きにはお馴染みの グレーテルのかまど で 水ようかん が採り上げられていました。

番組のHPで次のように紹介されています。

向田邦子がこよなく愛した夏の風物、水ようかん。
エッセー『水羊羹』は彼女独特の視点からその魅力を語った小気味よい小品。
その文章を手がかりに、妹和子さんへのインタビューや、水羊羹専用のお皿、お気に入りの味、食す作法などを紹介。水羊羹的なものを慈しんだ彼女の生き方や美学をひもといていく。
「水ようかんの旬は冬」といいはる土地にも小旅行!いったいどこ?!
昨夏、開発番組として放送したものを、24分版に再編集してお届けします。


向田邦子といえば、私などはTVがお茶の間の主役であった昭和の時代が思い起こされます。

詳しくはこの番組のHPを読んでもらえばよいのですが、この中で興味深かったのは、以前に書いた 小豆ペーストではないご家庭での正しい生餡の作りかた を紹介していたこと。(結構面倒臭い)

もう一つは、水ようかんに合う音楽として『ミリー・ヴァーノン』(Millie Vernon)というジャズ シンガーを紹介していたことです。
ミリー・ヴァーノンというのは、向田邦子の読者にはよく知られているのですが、恥ずかしながら今回私は初めて聞きました。

私のような凡人ですと、水ようかんに合う音楽と言えば、中川イサトさんやゴン・チチのようなアコースティック・ギターのインストロメンタルを思い浮かべるのですが、このように渋いジャズ ヴォーカルを持ってくるのが才能の違いというものでしょう。




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Posted by 安儀製餡所 at 18:48 あんこ豆知識コメント(0)

与謝野晶子とその実家

2012年07月11日
 先日、私の子供に「学校で 与謝野晶子の実家が、堺で駿河屋という和菓子屋さんだったと習ったが、和歌山にある駿河

屋さんと関係があるのか?」 と聞かれて恥ずかしながら、はっきりと答えることができませんでした。

そこで、その後調べたことを書いてみます。

face01 与謝野晶子





与謝野 晶子(正字: 與謝野 晶子、よさの あきこ、1878年(明治11年)12月7日 - 1942年(昭和17年)5月29日)は、日本の歌人、作家、思想家。

本名与謝野 志よう(よさの しょう)。旧姓鳳(ほう)。ペンネームの「晶子」の「晶」は、本名の「しょう」から取った。夫は与謝野鉄幹(与謝野寛)。

鳳志ようは、堺県堺区甲斐町西1丁(現在の大阪府堺市堺区甲斐町西1丁)で老舗和菓子屋「駿河屋」を営む、父・鳳宗七、母・津祢の三女として生まれた。実の兄にはのちに電気工学者となる鳳秀太郎がいた。9歳で漢学塾に入り、琴・三味線も習った。堺市立堺女学校(現・大阪府立泉陽高等学校)に入学すると『源氏物語』などを読み始め古典に親しんだ。また兄の影響を受け、「十二、三のころから、『柵草紙』(後には『めざまし草』)[1]『文学界』や紅葉、露伴、一葉などの小説を読むのが一番の楽しみ」(『明星』1906年年5月)であった。

20歳ごろより店番をしつつ和歌を投稿するようになる。浪華青年文学会に参加の後、1900年(明治33年)、浜寺公園の旅館で行なわれた歌会で歌人・与謝野鉄幹と不倫の関係になり、鉄幹が創立した新詩社の機関誌『明星』に短歌を発表。翌年家を出て東京に移り、女性の官能をおおらかに謳う処女歌集『みだれ髪』を刊行し、浪漫派の歌人としてのスタイルを確立した。のちに鉄幹と結婚、子供を12人出産している(うち1人は生後2日で亡くなる)。

face01 駿河屋 系統図

丁度、総本家駿河屋(和歌山)さんの出している 「駿河屋 系統図」が手に入りました。

それによると、与謝野 晶子 旧姓鳳(ほう)の実家である堺 駿河屋 は、


① 総本家駿河屋13代の時に 大阪 駿河屋が分家となります。

② 次に、大阪 駿河屋の2代の時に暖簾分けで 鳳 惣七を初代として堺 駿河屋が創業されました。

③ 堺 駿河屋は鳳 惣七(初代)-宗七(二代)―宗七(三代)-久夫(四代)と続き、現在は途絶えているようです。

したがって、二代か三代が与謝野 晶子の父となります。

今から思えば、与謝野 晶子が店番をしていたというのは、なかなかすごいですし、与謝野 晶子が好んだ和菓子など興味深いですね。


Posted by 安儀製餡所 at 21:40 あんこ豆知識コメント(1)
先日TVで「わかさいも本舗」さんの「わかさいも」について放送していました。

その中で、あんこの原料となる『大福豆(おおふくまめ)』について紹介されていましたので、此処でも少し触れたいと思います。

TVでは「だいふくまめ」と呼んでいましたが、「おおふくまめ」が正しい呼び方です。まあ、相変わらずTVとはいい加減なものです。

face01 大福豆とは

 大福豆は種皮だけでなく、へその部分までが真っ白な腎臓形の美しい豆です。

斗六豆(とうろくまめ)、十六寸豆(とろくすんまめ)などと呼ばれることもありますが、これは豆を長径方向に10粒並べると、ちょうど6寸(18.2cm)になるからだといわれています。



大福豆と小豆 (大きさの比較)



また、一口に大福豆と言っても、「大福」、「洞爺大福」などの品種があります。ただし、21年度作付面積(道農産振興課調べ)は「洞爺大福」が100%です。

蔓性(つるせい)で支柱が必要など栽培に手間がかかり、価格も高めなので、北海道では、虎豆、白花豆などとともに、高級菜豆(こうきゅうさいとう)と呼ばれています。

 食味が良く白色という特徴を活かし、甘納豆、煮豆、和菓子などの原料及び家庭用として使われます。


とりわけ、甘納豆の需要が多く、全体の4割位を占めます。家庭用としては正月の豆きんとんなどに使われ、この食習慣は九州、中京、関西地方で根強いものがあります。
 

日本では北海道を中心につくられています。なかでも胆振(いぶり)地方で最も多く生産され、全体の50%以上にものぼります。続いて北見地方が多く、この2つの地域で全国の栽培面積のほとんどを占めています。




胆振地方


Copyrights:(c) 2005 (財)日本豆類基金協会 All Rights Reserved. より

face01 さて、弊社でも大福豆を使った餡を製造・販売しています。

日本豆類基金協会 の説明にありますように こしあん として使う場合、色も白く味もよいのですが価格的に他の白豆
に比べて高いため単独で使うだけでなく、他の白豆とブレンドする場合もあります。

Posted by 安儀製餡所 at 15:04 あんこ豆知識コメント(0)

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